ゆとりが叫ぶFuck the World

アラサーゆとり世代が映画、音楽、ゲームなど自分が今まで接してきたもの通じて感じたことを残す記録

タバコについて タバコはジジイの嗜むものか?

ふと喫煙所でタバコを吸っているときに感じた。

周りを見ると自分と同年代かそれより上の人ばかりだ。

今の若い人はどういったきっかけでタバコを吸い始めるのだろうか。

こんなに一箱の金額も上がっている中で手を出す人はいるのだろうか?

よく若い世代の人間は合理的で無駄なことはあまり好まないというが今自分が生活する中で一番の無駄になっているタバコを始める人はいるのだろうか?

そういった中でタバコが今後どういったものになるのかを帰りに歩きながら考えた。

 

電子タバコという免罪符】

自分は大学生の時代にタバコを吸い始めかれこれ今までやめることなく吸い続けている。

自分が小さなころは父親がタバコを吸っていたがある日ぱったりとタバコを吸わなくなり、いつも家の中で吸っていた換気扇の下でタバコも吸わずに貧乏ゆすりをしていたのはいい思い出だ。

今では誰よりも嫌煙になり会ってタバコを自分が吸っている姿を見るたびに「そんな無駄なものいつまで吸ってるんだ」と言い出す始末。

禁煙した人間が一番嫌煙家になるいい例だ。

そんな小さいころに禁煙を成功させた父親を持つ自分もタバコを吸い始めるまでは「無駄なもの」「俺は絶対に吸わない」などと思っていた。

 

そんな中できっかけは忘れたが大学生になりタバコを吸い始め、いわゆる「タバコミュニケーション」というのをこの時に感じた。

大学の喫煙所に行けば誰かしらに会い、友人と町を歩いて喫煙所を見つければ吸い、居酒屋では酒を飲みながら当たり前のように吸う、バイトの休憩所では話しながらつかの間の癒しの時間にもタバコを吸っていた。

 

そんな生活にタバコが入り込んだ状態で社会人になり営業を始めた。

営業職の性なのか周りには喫煙者ばかり、喫煙所に行けば先輩たちが数字の話をしながら苦しそうな顔をしており、その会話に混じることで自分もなんだか社会人の一部になれたように感じた。

 

そんな中時代の流れか、ある会社の先輩が先方に伺ったときにタバコ臭いとの指摘を受けた。

そしてそれを機に非喫煙者の人たちの営業車がタバコ臭いなどの不満が爆発、当時の支店長が非喫煙者ということも拍車をかけ一気に社内が禁煙ムードとなった。

外出1時間前には喫煙室入場禁止、営業車内での喫煙は禁止とタバコ狩りが始まったのである。

その中で喫煙者グループは吸わないという選択肢をとるはずもなく、誰かがIQOSを買ってきてこれなら吸ってもバレなくね?ということで社内喫煙者のほとんどがIQOSを手にして隠れ喫煙をするという流れが始まった。

その流れに乗るように自分もIQOSを吸うようになり、IQOSに完全移行を果たした。

 

IQOSに移行することで喫煙後の口内の気持ち悪さが減り、口臭、体臭もだいぶましになったと勝手に感じるようになった(非喫煙者からするとわかるぐらい臭いらしいが)

そしていまだに紙タバコを吸っている50くらいの課長などを臭いと思い、俺はお前らとは違う、どちらかと言ったら紙より健康だし、においは少ないし、なんならほぼ非喫煙者の人の気持ちわかりますよ、俺らも紙タバコには迷惑してますしと感じるようになった。

 

これが自分の中での免罪符となりいまだに紙タバコよりはましと思いながらも今もだらだらと電子タバコを吸っているのである。

 

【若い人はどうやってタバコを始めるのだろうか?】

長々と自分が電子タバコに移行した経緯を書いたが、今や世の中では喫煙できる場所のそもそもの減少、タバコ自体の価格の高騰などがある。

まるで見世物のように狭い喫煙スペースに集まったり、居酒屋では外の灰皿までわざわざ吸いに行ったり不便だらけの喫煙者が今の現状である。

昔のようにテレビドラマ、映画などの映像作品ではタバコを吸うというシーン自体も見なくなった。

昔のようにヤクザ映画でタバコを吸うような渋くてかっこいいというイメージも薄れている。(自分はIQOSを吸いながらドスを聞かせるヤクザ映画など今時っぽくて見てみたいが)

そういった中で若い人はタバコを吸わなくなるのではないかと思う。

酒離れという話も出ているが酒とタバコはセットのようなものでそういった機会も減ればおのずとタバコを吸うきっかけも減るのではないかと思う。

何よりも健康に害があり不便で制約しかないものを始める必要はないとは思うが。

 

こう書くとジジイの若者を憂うようなブログになってしまうが本当にどういった経緯で若い人が吸うようになるのかという部分は気になる。

もしかしてこれからタバコを吸うのは割り切って紙タバコをこれからも吸い続ける人と、免罪符を掲げ、時には大事そうに抱きしめながら電子タバコを吸う自分のような人しかいなくなるのではないかと。

そしておのずとジジイが嗜むものになってしまうのではないかと思う。

なくなった方がいいのはわかっているがなくなるとどこか悲しいもので、これからどうなっていくのか吸い続けて喫煙所の人々を見続けるしかないのかもしれない。

そしてこれを書いているときもタバコを吸っている自分は死に遅れの絶滅危惧種ではないのかとふと思う。

サイバーパンク エッジランナーズ(2022) ゲームの世界を拡張する傑作

皆さんサイバーパンク エッジランナーズはご覧になりましたでしょうか。

配信1週間後に見て感想を下書きしたまま今までずるずると来てしまい、今更下書きを発見したので遅すぎますが投稿する運びとなりました。(これだからズボラは困ります)

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自分とサイバーパンクの出会いはティザーのトレーラーだった。

スローで展開される映像、マンティスブレードを展開して座り込む物騒なブレードが似合わない女性、その周りには目にレンズが複数個あるゴーグルをかけたマックスタックが・・・とサイバーパンクバリバリの映像。

これを見てこれは俺がやらなきゃいけない作品だと見た瞬間から虜になった作品であり、そこから7、8年くらい待たされた付き合いの長い作品でもある。

幼少期にブレードランナーを見てその世界観の虜になっていた自分にとってはついに来たかという作品だった。

紆余曲折あり忘れたころにトレーラーが発表されるなどついに来たかという感じだった。

そして発売日、前日からPC版をダウンロードして待機。仕事終わりにナイトシティーにダイブしたのは今もいい思い出だ

当初はもっとロールプレイ感が強いと思っていたがそこは少しがっかりだったが、自分の中では1週目はノーマッドで外界からナイトシティーに乗り込んだ荒くれ物で脳筋プレー、そのあとはコーポレートで知的なネットランナープレーと決めていた。

結局は1周ナイトシティーを楽しんで俺のナイトシティーライフは終わった。

しかしあの密度のサイバーパンク世界を楽しめるゲームとしては唯一無二であるし、発表から発売まで含めてとてもいい経験をさせてもらった。

世の中では前評判に比べてがっかりみたいな評価だが普通にPCでやれば楽しいし、PCで最高のサイバーパンク世界を味わう気がない生半可な気持ちでやってるようじゃこの世界は最高に楽しめないと思う、そこまで評価を下げる作品でもないと思うので、これもまた酷評とかいろいろなネットの情報に振り回された作品じゃないかなと思う。

まあこれを前世代機で出そうという判断をしたCDPもあれだと思うが。

 

とそんな思い入れの強いサイバーパンクだがアニメ化されると聞いて正直そこまで期待していなかった。

しかし見てみたら作品世界を拡張するようで、うまい取捨選択をした傑作だった。

舞台はゲームのナイトシティーそのままに、時間軸がゲームよりも前の時間軸となる。

そこに特別何かを付け足すことなく、少々特別ではあるが主人公もずば抜けてナイトシティーで特別かといわれるとそうでもない。

そんな何でもない主人公があるきっかけを境にサイバーパンクへと成長していく物語である。

何よりもすごいのがこの作品の主軸は主人公が手に入れるインプラントをめぐる話であり、それ自体は確かにすごいのだがナイトシティー内にはよくあることで、最終的には企業間の競争や技術開発に使われる。

これがナイトシティー自体をひっくり返すような話だとゲームの世界や今後の世界観に影響が出てしまう、少々特別ではあるがあくまで1住人である何でもない男の話なところが秀逸である。

 

そんな主人公がインプラントをインストールすることでどんどん名を揚げていき、名声を得ていく、その中では失うものや得るものもあるという話。

とにかくこのあたりのまとめ方が秀逸でまたクリフハンガーも毎回あるため一気見するにはちょうどいい作品で寝不足になったのもいい思い出だ。

 

ゲームの世界を拡張するという意味でも素晴らしく、サイバーサイコシスはゲームをプレイしているだけだとただの中ボス的な立ち位置になっており、そこまで思い入れはないゲーム内設定になっている。

殺しの依頼や周りのテキストを見るとどうやってサイバーサイコになったのかなどがわかり世界観が広がるが、正直途中からは町を移動している途中で見つけてぶっ殺す的なあくまでゲームのモブ的な立ち位置が強かったのではないかと思う。

しかしこの作品でサイバーサイコのやばさや悲しさなどがより鮮明に受け出てくるようになり、ゲーム世界の拡張に一役買っているところがとても素晴らしい。

 

そして話の内容としてもヤバイインプラントをインストールした主人公の成長と、周りの仲間との青春作品のようなさわやかさやルーシーとの恋模様など、サイバーパンクという世界観であくまで我々の世界と同じような人間模様を主に描いている点がこれまた素晴らしい。

世界はやばいがそこに暮らしている人たちの営み、考えていること、悩み、目指すべき姿などは私たちと何一つ変わらないのが感情移入できる点で感動できる部分なのだろうと思う。

そういう意味で言うとサイバーパンクのゲームの中で記憶に残っているのはやばいキャラクターで、町の中にいる股間改造君や、キリストBD男、町を守るために汚職と戦う警官、ノーマッドとしての生活を守る人など、考えてみればサイバーパンクもあくまであの世界観で人々の生活や人間らしさを表現していたのではないかと思う。

 

こういった点でゲームのすばらしさ、作品のすばらしさが相互に作用しながら改めてこの世界観、作品は素晴らしいと再認識できる作品であった。

 

最後にこの作品を見るとこの曲を聴くだけで泣きそうになることは必至だ。

初見での最終話はなぜか久しぶりに泣けてきたし、今見ても泣きそうになる。

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NOPE(2022) ホラーじゃないよ前後半で2度おいしい傑作

前回「アンテベラム」を視聴したがなんといっても見ようと思った要因としてはジョウダン・ピール監督の最新作「NOPE」が公開されるからである。

前々作の「ゲットアウト」視聴時はマジくそ面白い話と思い大ハマり、しかし正直前作の「アス」についてはなんだかなーといった印象だった。

けど嫌いではない監督なので何とか劇場で見たいと思っていた。

余談だがNOPEみたいなと思い近場の映画館を調べたが封切りから1週間くらいしかたっていないのにすでに朝一やレイトショーしかやっていない状態で正直悲しい。というかワンピース上映数取りすぎやろ。

というわけで朝一視聴で時間があったのでそのあとに同僚に激推しされていた「トップガン マーベリック」を視聴、これは書くまでもないので割愛

 

NOPE

 

【あらすじ】

ハリウッド作品などに出演馬を貸し出す牧場を営む黒人のOJ

父がある日上空から落ちてきた5セントに直撃するという最悪の奇跡により他界

その後自身がトップとなり牧場経営をするがうまくいかず

そして身の回りで不可解なことが起き始め、父の死とその現象は関係があるのではないかと思い始まる

妹エメラルドとともにその現象をカメラに収め一攫千金を狙うが事態はその現象との激闘へと進んでいく

 

【感想】

正直ジョーダン・ピール監督の作品はホラーではないと思う。

どちらかと言ったらSFやミステリーじゃないかなと思う。

まず最初にこれ関係あるのという視点やシーンが提示されそれが映画を通して回収されていき、途中でネタばらし、そこからラストに向かって話が進んでいく。

だから監督作品がどう思われているのかわからないけど、最後にどんでん返し系の作品でもないと思うし、何なら途中でネタばらしするけどそこからも面白い作品ではあると思う。

またホラーっていうわけでもないと思う、確かにホラーっぽいシーンもあるけどそれが霊ですとかではなくしっかりと意味や実体のあるものだと思うし。

だからそういった視点でこの作品を見るとがっかりするのかなと思う。

 

自分としては今回の作品は自分は今年ベストに入れていいくらい傑作だと思う。

前半はゆっくりとしたテイストでヤツとの遭遇や周りに起こる怪現象などが描かれる。

なんといっても好きなシーンは怪現象ではないが近場のテーマパークの子供が宇宙人の振りをして忍び込んでいくシーン。

見えるか見えないかのぎりぎりのラインで何かが動いてこっちに向かってくる、あのゾクゾク感が最高。

そして集まる仲間たち、からのラストのヤツとの勝負はめちゃくちゃテンション上がる。(決着までの部分はやや冗長かなと思う部分もあるけど)

何よりも変態カメラマン集合で全員役者がそろった後の作戦建てからの準備シーンが最高でテンションが上がった。

そしてここから始まるという狼煙を上げるようにあの空気ダンス君たちが立ち上がる。

ここからの流れは最高でわくわくしっぱなしだった。

 

最初のシーンでチンパンジーが視聴者側に目を向ける瞬間にもしかしてこれは第4の壁を超える的な話なのかとわくわくしたがそうではなかった。

けど今回はどちらかといったド直球のモンスター映画的なテイストでそれに立ち向かう人の話としてはとても面白かった。

ネットの感想を見るとホラーと期待している人が多いのか、何か大きなどんでん返しがある作品と思っている人が多いのかと思う。

かくいう自分も空に浮かぶヤツとチンパンジーが何かつながりがあるのではとか、吸い込まれた先にまさかチンパンジーがいるだったり、違う次元につながっているとかなのかといろいろ邪推はしたが、結局はド直球のモンスターものではあった。

それでも面白いから文句なし

 

【考えたこと】

別に考察しなくていい作品なんだけど考えたことは書こうと思う。

今回は見る、見られるの関係と目を合わせる、目を合わせないが重要。

チンパンジーも見世物として消費されていたがある日見られるものから見るものは逆襲を受ける。

その中で生き残った少年は見られるものたちを操り切れると思ったのか、心が通じることができると思ったのか空飛ぶヤツに対しても同じように見世物として消費しようとしたところしっぺ返しを食らう。

もう一つ重要な点は心が通じていると思っていたチンパンジーとは直接目を合わせていない(レース越しの視点から)

ここで主人公と違うのは見世物としての馬を毎日向き合い、本当の意味での世話をして目を合わせている。

そういった主人公が最後にはヤツに勝利をするというのは一つのテーマだと思う。

 

また見世物だと思っていたやつもこっちを見てるんだよ、何か考えているんだよという部分。

自分も動物園などで見る側として動物を見ているとこいつらなんも考えてないのかなぁとか何考えてるんかなと思うことがある。

これを拡大して考えると今SNSなどで誰かのつぶやき、誰かの行動をみて消費している。

叩くやつをたたいて徹底的に馬鹿にする、その瞬間は自分たちは上になって見る側となる。

けど馬鹿にされている見られている側も何か考えているし、いつか逆襲される、同じ立場になる可能性もある。

この考えは差別や、映画というものもそうかもしれない。

見て面白がっているうちは安全だと思っているが本当にそうか?という問いかけ。

映画という見るものを通して見る、見られるの関係を考えさせられものかと思う。

 

となんかよくわからんことを書いたが別に考察なんてしなくともめっちゃ面白い作品なのでお勧め。

最近なんかこういった考察や作品の本質をつかまないとダメみたいな風潮があるのでなんだかなと思う。

答え合わせなんてできないし、感じたこと考えたことに間違いはないと思う。

確かに歴史やほかの作品、バックグラウンドからいろいろ批評をすることは重要だし、自分の視野を広げてくれるものだと思う。でもさ見て感じたことを大事にしましょうよ。ほかの人の意見でや正しげなことに流されるのではなく。

アンテベラム(2021) マジでやられた傑作 【ネタバレ】

ジョーダン・ピール監督の「NOPE」が今週公開となる。

そんな中でジョーダン・ピール監督作品に似ている映画としてずっとスルーしていた「アンテベラム」を見た。

めっちゃ面白いという情報は入っていたが予告も見ていない、あらすじも知らない情報まっさらな中で時間ができたので見てみたがこれがマジで傑作だった。

事前情報を仕入れなかった自分に感謝!

 

アンテベラム

【あらすじ】

時は南北戦争時代

奴隷として白人に搾取されるエデンが主人公

どうやら彼女は奴隷の中でも先導者的な役割らしい

しかし激しい白人の抑圧、搾取の中、彼女の活躍を期待する同胞たちの中で白人たちの圧政から抜け出せずにいた

そんな中彼女はこの理不尽な奴隷制度から抜け出すことはできるのか・・・

 

簡単にまとめるとこんなストーリーなのですが、まず言いたいのがトレーラーがナンセンスすぎる。

鑑賞後にトレーラーを見てみたがひどい。

まずいきなり現代シーンから始まり女性革命家のような人間が主人公と明示してしまう。

そしてそこから過去のシーンに重なり、飛行機雲などを移してしまう。

なにやってんのかと

事前情報がなかった自分は、まず始まる南北戦争時代ということを明記するオープニング、そこから奴隷制の厳しい生活が描写される。

しかし主人公含めここから抜け出そうと画策している人間たち、圧政に屈していない人間が居るということがわかる。

この時点でここから抜け出すことがこの映画の目標かということがわかる。

けどホラーぽいジャケ写だったためここからどうホラーになるのかワクワク見ていると、映画40分あたりで急に南北戦争時代に似つかぬ携帯のバイブでいきなり現代シーンへ!

お、なんだなんだ、そういうことか、ここから現代パートに入ってこれが過去とシンクロして過去のエデンを逃がす話につながるんだな!と更に期待値がアップ!

ここでトレーラー見てるとはいはい知ってますよという感じで驚きが1段階減る気がする、だからこのトレーラーはナンセンス

 

そしてそこから現代パートで黒人女性活動家としての現代のヴェロニカの活動が描写される。

そして現れる謎の白人女性など不穏の空気が流れ、タクシーシーンで一回全てがつながる。

あぁ!こいつら過去にもいたやつらや!!

そうか、ここから過去の話が数世代前で前世代VS今世代で話が繋がっていき一気に話が進むのか!と更に期待アップ

 

が、そんな予想は数分で打ち消される。

過去シーンでエデンと将軍が寝ているシーン、なぜか過去シーンなのに携帯のバイブ音が響き渡る。

は?なにこれなんで過去に携帯あるの?時空が歪んでる系?

と謎がこの段階で提示される。

そして綿花農場のシーンで空に飛行機が飛んでいることが明示される。

その瞬間、もしかしてこれが現代なのか!とすべてが繋がる。

 

そしてここから怒涛の展開一気に脱出のための計画が進んでいき、ずっと触っていたのが子供が書いてくれた絵を彫ったものだとわかる。

またヨガをやっていた体の柔らかさの伏線がここで生きてきてベッドから脱出、今まで音を立てないように扉に行っていた伏線を回収!

ここからクライマックスで憎き奴らを全員成敗!そして馬で自由へと駆け抜けていくラストへ!!

なによりもいいのがエンドクレジットでその後は明示されるもののエンドクレジット前のカットが飛行機が空を飛ぶシーンで終わる。

これは自分の愛娘に飛行機を見たらお母さんが帰って来てると思ってと言う途中にセリフに繋がり無事家族の元へ帰れたことを描写していてとてもキレのよく後味スッキリ、無駄に後日談でダラダラやらない最高のラストカットだと思う。

 

ラスト含め最高の作品だと思う。

なによりも過去とリンクさせて、過去こうだったから今の黒人差別から脱しようというメッセージではなく、すべてが現在の話とすることで今も昔と変わらず差別、抑圧は続いているしそういうことをする奴らはいるという痛烈なメッセージになっている。

なによりも今切り開いて行くしかないんだというとても大きなメッセージになっている。

そして最後にアンテベラム(南北戦争以前の時代)という看板が壊されることで、てめえらの時代は終わったという意思表示で終わるのが最高で最後にはガッツポーズで締めくくられる。

 

まあとにかく最高な作品、ネタバレを書いておいて言うのもあれですがまじでなにも情報を入れずにこの感覚を味わってほしい作品。

 

カーター(2022/Netflix) 2時間みっちりアクション、あれやこれや色々混ぜた怪作【ネタバレ】

お盆に入り仕事もまとまった休暇で時間が余っている中、コロナ感染拡大(一体何波目なんだ)という状況と家庭の事情が重なり最近はめっきり劇場公開の作品を見に行けていないこの頃。

となると家で映画を見るのは配信中心になりがち。

ということで最近追加されたカーターを見ました。



【あらすじ】

世界的に殺人ウイルスが流行。

その治療薬の糸口としてある博士と感染して唯一復活したその娘が治療薬開発のため研究所に向かう途中で行方不明に。

一方あるモーテルに突入を準備するグループが、突入をするとそこには記憶喪失の男と血まみれの部屋。男は状況がわからないまま囲まれるが、グループの男に映像を見せられる。そこには博士を拉致し映像を収録する男の姿が。

一体記憶を失った男は何者なのか、そして治療薬を巡る北、南朝鮮、そしてアメリカの思惑が交差するノンストップアクション映画

 

とここまであらすじを書くと、記憶がなくなった男、そしてそれぞれの国の思惑が交差するスパイアクションなのか。

そしてどうせ記憶が消えていた男はめちゃくちゃ強い殺人マシーンなんだろうなとなんとなく予想はできていた。

そしてその予想は概ね予想通りだったが話が進むごとにどんどんごった煮のジャンル進行、どうでもいいストーリー、見てて疲れるアクションで正直途中からどうでも面白いとは思えなかった。

 

最初ニュース番組でウイルスの現状が流れる。

かかった人間は何日か後に死ぬ、その間は驚異的な運動能力、凶暴性を発揮するとかなんとか。そしてかかって生存した人間は韓国に一人という情報。

それを見たときにそうか主人公の一人はウイルスにかかり唯一生き残り、ウイルスから回復はするが驚異的な運動能力はそのまま残り続ける。そして治療薬としての有用性を各国から狙われながら記憶喪失の原因、なくなった記憶を辿って行くというストーリーかと思っていた。

何も覚えていない主人公は自身の驚異的な運動能力、戦闘能力に戸惑いながらもバッタバッタと追手を倒していく的な、自分には自分にも知らない力が眠っていた的な作品だと勝手に想像してました。

まったく違いました。カーター君はちゃんと訓練を積んだ強い人、そしてなんかCIAや北、南からも顔を知られているような超有名人みたいです。

正直ここらへんの話は全く引き込まれなかった、CIAがカーターを見てお前はシリアで死んだはずとか言ったり、北では英雄的な人間だとか言ったり、誰が正しいの的な話をしたいのでしょうが正直どうでも良かった、で多分結局作中ではCIAとの関わりなどは一切明かされていないような気がするし(自分が見落としてたらすいません。)

 

とあまりどうでもいいストーリなのですが、序盤のゲーム感やツッコミどころが多い。

まず最序盤の見せ場ヤクザとの戦い。逃げるために隣のビルに行くとどうやらヤクザがたむろする風呂場らしい。そこで長いこと戦うか戦わないかで焦らして、裸のねーちゃんが謎に銃を拾いカーターに向けたと思ったら急に戦闘開始。この間が意味がわからなかったし、なんで戦うのかと。まぁアクション映画なんでそういった野暮なツッコミはなしにして。そこから長回し風のアクション開始。刃物主体の戦いでちゃんと指している感や、出血などの描写も隠さず行い好印象、そして何よりも殺意が高いアクションでこれは期待できるぞと思っているとある違和感に気づく。

あれカメラめっちゃ動くな、戦う場所がどんどん動いてそれを背中越しに追っていったり、天井から撮ってみたり、カットなしで進む戦闘。

おそらくCGとか実写をつなぎ合わせてあたかも一連の流れのようにしているんだろうけどなんか違和感があるのと、見てて疲れる。

とこの違和感はずっと続いてこの作品の目玉でもあると思うんですがアクションが始まると結構な長さでノンストップなんですよね。サービス精神満載といえばそうなのですが2時間の殆どがアクション、そしてあいだのストーリはそこまで興味深いものではないのでメリハリが無いというか、またアクションパートだというくらいにしか思えず。確かにお金がかかっていそうですごいアクションなのですがあまり自分には刺さらなかった。

 

そのアクション自体も、最初の刃物主体の風呂場戦闘などは良かった。それ以外バイクの上でのアグレッシブな戦い、吊橋の戦いなどあったが正直あまり目新しさはなかったかなと。

ジョン・ウィックシリーズのほうがここでこれを使ってこんなアクションをというロケーションとその場にあるもの、見たことないアクションについては目新しさがあったような。(あれもあれでアクション見るのは疲れるが)

 

とここまでアクションについては一定のクオリティーがあるものの疲れるし、そこまで目新しさもなかった。そんなふーんという作品に作中新たな風が吹き荒れる、急にゾンビものに変わるのだ。

まじかここからゾンビものかよ、このアクションでVSゾンビはそれはそれで楽しんじゃねえかと思ったのですが、結局走ってくる暴徒というくらいの扱いでほんとに雑魚キャラ的な扱い。

やることといえば主人公、その他が銃で撃つだけ、ちょっと取っ組み合いするだけくらい。

前半人間とのアクションで、後半ガッツリアグレッシブゾンビものでも良かったのに、なんでこの要素を入れたのか。

で、なんやかんやあって北朝鮮でのラスボスとの戦闘になるが、最後はVSヘリという構造で生身というよりはちょっと大味な戦闘だったかなと言う感じ。

どうせなら最後はバリバリに格闘アクションをしてほしかったような。まあこの辺興味が薄れててあんまり真剣に見てない

 

まとめ

ここまで書きましたがアクション見たいならつまらない映画ではないと思う。

けどカメラがグワングワン動いたり、1アクションシーンが長めなので疲れる人は疲れるかなと。

そして全体のストーリも全て消化しているわけではないのでなんだかなーといった感じ。そこまで興味を引くストーリーでもないですし。

暇なときに酒でも飲みながらおーすげーという感じで見るくらいがいいのかも、下手すれば酔うけど。

 

 

呪詛 【ネタバレ感想】それは母親の愛か、人間のエゴか

呪詛を見ました。

各所で結構話題になっていて、正直見る気はなかったのですが、3連休暇だった、Netflixで結構上位にランキングされているホラーなんて珍しいということで見てみました。

結論から言うと絶賛ではないです。映画通して見たことあるような演出でこんなもんかと思っていましたが最後を思い返すとそりゃズルいよといった感想です。

呪詛

あらすじ

主人公のルオナンが何やら動画に映像を収めているところから始まります。

6年前に大きな時間があり、その影響で色々な人に不幸が降りかかると。

そんな自分を皆さん救ってください、救うためにはこれをしてねと。

そんなこんなありながら離れ離れになった娘と一緒に暮らせる日々を取り戻り、その幸せな日々をビデオに収めるが、そんな幸せな家庭にも不穏な空気が流れはじめ・・・

その原因はやはり6年前のあの事件が原因であった・・・

 

という物語。

 

 

総評

正直ホラーとしては目新しさはないといった感じ。禁忌に踏み入った若者たちが痛い目を見ると言ったらそれだけ。その痛い目の表現方法についてもそこまで新しいものはなく。そこまで怖いかと言ったら飛び抜けて怖いわけではない。

また表現方法のPOVについても一貫しているかといったら一貫してない。あの人はカメラ持ってるよな、それならこの映像は納得できる。けど待て待てこのアングルの画像は誰が撮ってるんだよというのはしばしば、なので完全なモキュメンタリーではない。一方ではファウンドフッテージものではあるとは思う、編集されているようであるし、最後にある映像が入れこまれているので誰かが編集した映像ではあるのかなと。

しかしここまで整理して思うのはそれならいろいろあったけど動画配信サイトに投稿された動画のまとめ、Live配信のまとめという体のほうがきれいに行くのではと思う。夜娘と遊ぶ自分の配信、呪われて困ってますの自分の配信、そして6年前のあの事件を投稿する。最後にはあの地下道に行くのでLive配信。最後にあれが写ってドーン、終了。といったほうがルオナンのしたいことはきれいにまとまったのではと(最後の主人公が死ぬところまで映ると誰がこの動画残したんだよとは思う)。ドゥオドゥオのあの映像は次につなげるためだったのかもしれないが上記の流れのほうがきれいではと思う。(それでも誰が撮ってるの問題は解決できないが。今後もしかしたら他の誰かが撮っていたというのは言及があるかも?)

 

ということでモキュメンタリーとしては微妙だがPOV作品としては十分な出来ではあった。

 

じゃあホラー表現として新しいものはない、モキュメンタリーとしてもどうかといった部分でそんなもんじゃないのかと思うが肝はラストである。

ラストシーンで今まで見ていた観客をすべて巻き込むような仕掛けがある。正直最初のこれは祈り、救済のための手段と言われても、はいはいどうせこれが逆方向の働くんでしょというのはなんとなく想像できた。しかしはいはいそうですね予想通りですと達観しているところに、急に映画側からそうなんですこれはあなた(モニターの前の視聴者自分自身)に向けたものなんですと明かされます。いやいや待てよそれは聞いていないと、俺とは違う世界と思っていたらNetflixでこの作品を見ている無数の人間に刃を突き立ててて来るのです。そして衝撃的な映像とともに「あなたの名前は?」という視聴者個人についての問いかけで終わる。

見終わったあとは実際のところなんとも思わなかった。その後普通に生活を送っている中でなんとなく胸に突っかかった感じがあり、何か部屋でものが落ちるだけであれもしかしてという感覚になる。そういったネットにある洒落怖などの次はお前だ、これを聞いたら呪われる的な怖さがある。これはある意味で最新のネットを使ったホラー映画だなと感じる部分と、それはずるくないか?というもやもやも残る部分でもある。

 

というように飛び道具を使いながらもあとに残る怖さはあった作品だと思う。

そういったラストが印象に残るが何よりも母親ルオナンの行動が印象に残る。

自分としての結論は結局自分勝手な人間なのではないかという結論になった。

序盤から母親としての使命に目覚める部分、そして子を守る母、子を守るために奔走し、周りを犠牲にしながらも呪いを広げて薄めるという方法で子を助ける決断に至るというのは理解できる。

しかしそもそものルオナンは学生なのかわからないが何も考えずにカルト的な宗教の根城に何食わぬおで乗り込む、そこに巫女の女の子がいてそれどこれではないけど助けないととわめき散らす、結局自分も助からずそこから逃げ出す。そして精神科に行くが子供が心配なので退院したあとに自ら呪いを撒き散らす、そこで何人か死ぬ。なんやかんやあっていろんな人が死ぬ中子供を助けるため断食などいろいろするが自分だけは飯食っちゃうし、最後には地下道の鏡を割る、儀式を完成させる、子供の像の向きを変えて呪いを外向きにするなどやったあと、自分は仏母を見ないように目隠し、呪印防御しながら視聴者に呪いを向けるためあの布を取るなど、流石に自分勝手過ぎないかと思う。

というのも多分冒頭のシーンで里親にドゥオドゥオ迎えに行く場面で、ドゥオドゥオが大きなぬいぐるみを欲しいといったシーンで、ルオナンはいいわよというが里親の常識人がそれはみんなのものだから我慢しようねと言う場面がある。ここからわかるようにルオナンはそもそも自分勝手な人間なのではないかと思う。

そう考えてもう一度見ると自分勝手な人間の自己救済、自己援護のための数時間を見せられているようでまた見方が変わってくるのが面白い部分である。

 

というようにこの映画の主題であるが見方が変われば感じ方捉え方も変わる。

この映画を可哀想な母子の愛の物語と見ることもできる。また自分勝手な若者が自分勝手なことをして、その後も自分勝手なやり方で解決方法を探すとも捉えられる。

 

というように見方による議論とラストシーンによる拡散でこういった大きな話題になっているのだと思うのである意味成功作だとは思う。

自分自身こういった土着信仰的なゲーム「SIREN」や映画「ミッドサマー」そして「食人族」「グリーンインフェルノ」などが好きなのでそういった設定を含めて楽しむことができた。

しかし見せ方としては普通であり、その映画外の交流や発信を含めて全ての映画体験が完結して評価されているようではどうかなと思う部分はある。ある意味で新しい映画体験なのかもしれないが自分は2時間そこらの映画体験ですべてを納得させて終わらせてほしいという考えはある。

 

つまらなくはない、面白い作品なのでぜひNetflix入っている人は見てください!

 

※気になるところ

・Youtuber兄弟のいった村は悪くはなくないか?呪いを自分の親族内で完結させて他に出さないようにしていたのだからそこまで悪くないように感じる。

 

・6年前に村にいた巫女は未だに仏母の依代になっていたのか、なぜあのタイミングで病院に現れたのか。

 

・ドゥオドゥオがラスボスになるのでは?ルオナンはあの6年前に堕胎していた?(股から血が出ていた描写)その後巫女に諭されなんか変なもの飲んで神の子を妊娠した?結局その後仏母の依代はドゥオドゥオになっていたのでは。それを迎えに来ていたのがこの物語。最後の城の話からわかるようにドゥオドゥオは仏母と同化しており元の村に帰りたがっている?

 

 

こんなこと書く時点でこの作品楽しんでいるんですよね。

みなさんも色々考えられるので見てください。

来たなPolyphia!!

youtu.be

 

好きですPolyphia

Djentなどを聞いてきた自分

王道のメタルも好きだが一番好きなのはDream Theaterとかのプログレ

その中で難解さを残したままハードにヘビーになっていったのはDjent

Djentの有名どころといえばメシュガーとかいろいろいますが

そこからニューウェーブとしてAnimal as LeadersやPliniなどのインスト系も好きな自分(そもそもDjentなのかもわからんが)

そんな中でも美メロ系、時々ヘビー、そしてトラップにもつながるような今どきの感覚を持ったPolyphiaはなんだかんだ聞いてた

 

そんなPolyphiaの新作、どことなくラテン、フラメンコ感、そこに来るか!

まあもはやメタルなのか何なのかわかりませんがとにかく彼らがカムバックしたことこそが一つの意味があるのではないかと

そもそもギターソロを聞かなくなったというこのご時世

何かしらイントロにフックがない、歌詞に共感できるところがないと音楽を聞かないという昨今、そこに行くかという飛躍力、イントロ、サビ?関係ねえという潔さ、そして技術で聞かせるその一撃、とりあえず聞いてください

今こそいきなり良い曲!ではなくよおわからんけど聞いてまったわという一曲こそ頭に一撃食らうのでは